西洋占星術における 年齢域 とは

西洋占星術では、各天体ごとに「年齢域」というものを割り振っています。特定の天体が、特定の年齢の間に強く作用する、と考えられているからです。
この「年齢域」、知っていると結構おもしろいですよ。
月
生まれてから7歳までは、月が担当しています。
月は無意識の天体であり、いわば「素」の状態です。大人になってからも、「素」の状態になると月の性格がストレートに現れるものです。
水星
8歳から15歳までは、水星が担当しています。
水星は知性、言語、コミュニケーションの天体です。ちょうど子どもが学校に通い始め、友だちとの付き合いも広がり、さまざまなことを学ぶ時期ですから、水星が活発化するのは当然なのかもしれません。
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赤ちゃんの頃は全然話さない子だったのに、小学校に上がった頃からいきなりおしゃべりになった、という子どもは結構いるものです。
これは、その子の月があまりコミュニケーションに熱心でない状態にあったのに(「素」のときは一人でぼーっとしていたいタイプ)、水星は活発に動き回りたい状態にあり、水星の年齢域に入ったとたん切り替わった、と考えられます。
もちろん、逆のケースもあります。月はにぎやかな配置だけれど、水星は無口になる配置だという人も結構いるものです。
金星
16歳から25歳までは金星が担当です。
金星は恋愛の天体です。恋愛だけでなく、楽しいこと、うれしいこと、人生の楽しみのあらゆることをつかさどっています。
たいていの人は、この時期に覚えた楽しいことは一生続けていくものです。余談ですが、金星が海王星と緊密な位置関係にある人は、かなりの確率で二次元恋愛に走ります。
太陽
26歳から35歳までは太陽が担当しています。
太陽は人生目的を示している天体です。多くの人はこの時期に社会人としての自分の立ち位置を確認したり、結婚を考えたりするものです。
ただ、太陽が他の天体から孤立してしまっていたりすると、自分で目的を見つけることが難しくなり、この時期に引きこもってしまったりすることもあります。そういう場合は、たいてい先の年齢期で活発化する天体があり、そのとき一気に社会に出ていくようになるものです。
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若い頃は恋愛で浮名を流しまくっていた女性が、アラサーになったとたん結婚して見事に主婦として落ち着いた、というケースは結構あります。これは、その人の金星の状態と太陽の状態にかなり落差があったからでしょう。逆に言えば、そこに落差がある人は若いうちはどれだけ遊んでいても、結婚するとピタッと収まる可能性が高いということです。
そもそも西洋占星術では、最初から恋愛と結婚は別物と考えているのです。これもちょっとおもしろい点ですね。
火星
36歳から45歳までは火星が担当です。
火星はエネルギッシュな天体で、とにかく活発に動き回ります。その分衝突も多く、体力的にもきつくなりがちです。
社会生活においても、いわば最前線で働いている人がほとんどでしょう。上の人たちとぶつかり、下の人たちをひっぱっていかなければならない、それはある意味当然のことなのかもしれません。
木星
46歳から55歳までは木星が担当します。
木星は拡大や増幅の天体です。社会生活においては、地位固め、財産の確立という形で現れやすいようです。
木星の状態がいい人は、生涯お金には困りません。しかも、特にあくせく働かなくてもそれなりの地位を得られるという場合がほとんどです。
土星
56歳以降はずーっと土星が担当です。
そのため、土星は人生の着地点を示しています。その人が最終的にたどり着く地位や生活環境などは、土星の状態を見ればだいたいわかります。
太陽の状態があまりよくなくて、若いころに目的が見つけられずにふらふらとしているしかなかった人も、土星がしっかりしていると晩年は安泰ということが多いです。
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自分が何座生まれなのか、つまり太陽が何座にあるかを知っている人は多いと思います。でも太陽以外の天体が何座にあるのかを知っていれば、その年齢期に入ったとき自分がどういう傾向になるかが事前にだいたいわかります。
特に、自分のホロスコープの中で、特定の天体が強調されている(たくさんの天体と緊密な位置関係にあったり、ホロスコープのてっぺんにあったりする場合)と、その天体の年齢域に入るとどんどん生活が活発化するので、事前にわかっていればスムーズにその波に乗れるでしょう。